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ファンドの背景 |
資金募集のための手段
融資
通常、事業者が事業を開始するにあたり元手となる資金を用意する手段としては、銀行等への融資の申込みが第1に思い浮かべられると思います。
しかし、この資金には当然ながら安くはない利息が付加されることになりますので、事業者には重い負担となります。
投資という概念
そこで、近代ヨーロッパ等では投資(INVEST)という手法を用い、利益と損失をともに投資家に分配させることでリスクの分散を図る手法が生み出されました。(したがって、日本人とことなり欧米人等には“事業を行なうのに金を借りるというのは愚かな手段であると”いった概念を持っている人が多いという話もよく聞きます。)
株式投資
そして、その代表的な手法が株式会社という概念です。ご存知のように株式会社は、社会に散在する遊休資本を間接有限責任の名の下に一手に集めようとするものであり、その根底には、大地主や貴族のように金はあるが能力のない者が経営のプロに資金を預けその利回りを稼ごうという考えが存在します。
そして、そこでは日本における概念とは異なり、オーナー(株主)と経営者(さらには労働者)の地位は完全に分離して理解されています。
したがって、本来的な株式投資というものは日本における投機(SPECULATION)とは厳格に区別されるべきものであり、投資家から資金を大量に募集するには株式投資がその理想系であると考えられます。
日本における株式投資
もっとも、日本ではオーナ―と経営者の地位は必ずしも分離しておらず、むしろ資本と経営(さらには労働)が一体であることが通常形態とされています。
したがって、経営のプロに資金を預けるという発想よりは、資金を持ち寄って、みんなで頑張って働こうという概念が根底にあり、株式投資はむしろ株式投機として理解されているように思われます(それゆえ、会社が誰のものかという議論が一事頻繁になされたものと考えられます。)。
そこで、日本においては会社といいながら、その実体は組合のような有限会社が非常に頻繁に利用され、現在ではその有限会社でさえ株式会社として一つの形態に組み込まれてしまいました。
しかしながら、実体が組合程度のものでしかないにもかかわらず、会社としての厳しい規制を受けることになるため、機動的な事業の立ち上げや利益の分配には向いていないというジレンマが生じています。
組合を利用した投資
そこで、実体に即し諸種の組合を利用し資金を募集しようという考えが生じ、民法上の任意組合、LLP、LPS、匿名組合といった手法が次々と利用され始めました。
(1)任意組合
任意組合は、参加者全員が原則対等の立場で資金を持ち寄り事業を行うために結成されることになりますが、事業の失敗による債務は全て構成員全員が負う事になります。
そこで、参加者としてはそのリスクに関する恐怖が生じます。
(2)LLP
そこで、そのリスクを最小限に抑えようということで、LLP(有限責任事業組合)という手法が編み出されました。これにより、参加者は出資の範囲でリスクを負う事になりますが、参加者の中には経営自体には全く関心がない、ないしその余裕がないという者も存在します。
(3)LPS(投資事業有限責任事業組合)
そこで、投資に関してはLPS(投資事業有限責任事業組合)という手法が編み出され,ファンドマネジャーであるGPに対してLPである参加者が資金の運用を委ねるという形態が可能となりました。
しかし、この準備のためには組合登記等面倒な手続きがあり、また、設立後も諸種の規制を受けるため当初のねらいほどには普及しなかったといえます。
(4)匿名組合
そこで、匿名組合という手法が頻繁に利用されるということになります。すなわち、匿名組合の設立には従来契約書の作成が必要な程度で手間がなく、設立後も特に規制がないため、利用しやすい現状がありました。また、参加者は営業行為自体には参加する必要もなくその責任も出資の範囲に限定されるので、株式会社と似たような参加形態が可能でした。
このような特性のため、多くのファンドで匿名組合が利用される一方で、多くの投資詐欺事件(平成電電事件等)に利用されました。
規制と信用リスク
そこで、組合型のファンドに対する規制強化が叫ばれ、昨今金融商品取引法によりほぼ全ての組合型ファンドがその実情に応じて、厳しく規制されることになりました。
また、従来のそのようなルーズな運用形態こそが組合型ファンドの信用リスクであり、最大のデメリットであるともいえます。
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