TOP>適格機関投資家特例届出制度の概要

ファンドを組成する場合、投資家保護の目的から原則として金融商品取引業の登録が必要となります。
しかし、全てのファンド類型を登録の対象とすることは日本における金融の活性化を阻害することになるため、一定の条件の下に金融商品取引業登録が免除される場合があります。
自己の組成するファンドが、登録を免除される類型か、登録が免除されるとして、どのような手続きが要請されるかについて、その概要を以下に記載します。

(1)適格機関投資家とは
有価証券に対する投資に係る専門的知識および経験を有するものを指します。
(2)適格機関投資家の範囲
以下の機関
銀行、証券会社、保険会社、投資法人等
第1種金融商品取引業者(有価証券関連業のみ)・投資運用業者
投資事業有限責任組合(LPS)
等
以下の条件を満たす法人等※
有価証券投資額10億円以上の法人
有価証券残高10億円以上で、かつ、口座開設後1年以上経過している個人
有価証券残高10億円以上で、かつ、他の組合員の同意がある業務執行組合員である法人ないし個人 等
※後段の法人ないし個人については、金融庁長官に所定の届出の必要性および、期間制限等があります。

(1)適格機関投資家特例業務について
金融商品取引業の相手方が、適格機関投資家のみの場合、もしくは一般投資家が参加する場合でも一定の人数要件等を満たす場合は適格機関投資家特例業務として登録義務が届出義務に軽減されます。したがって、法所定の登録要件に関わらず、一定の事項を内閣総理大臣に届け出る手続きを経ることで業を行なうことが出来ます。
この場合、事後に届出事項に変更があった時は、その都度遅滞なくその事項を内閣総理大臣に変更届出の手続きをしなければなりません。
また、特例業務届出者等は行政による資料の提出命令、立ち入り、質問検査等を受ける場合があります。
(2)適格機関投資家以外の者が参加する場合における人数要件
自己募集・自己運用の相手方が、政令所定の条件の下において、
一人以上の適格機関投資家および
49人以下の一般投資家
で構成されていること。
(3)適格機関投資家特例届出にあたる具体例
上記人数要件に関し、政令で定める条件に関し以下図を用いて示します。(なお、表現上個々人の理解によっては誤解が生じる場合がありますので、法令の原文にあたることをお勧めします)
2号イ型
投資事業に対し投資する一般投資家の数と、LLPもしくはLPSを構成する投資家の人数のうち適格機関投資家の数を除いた人数の合計が49人以下であるとき。
ただし、LPSやLLPの運営者が投資運用業登録業者である場合は、当該LPSやLLPの一般投資家の数はカウントされないことになります。

2号ロ型
親ファンドの運営者と子ファンドの運営者とが同一人である場合には、適格機関投資家の参加の他に親ファンドの一般投資家の人数と子ファンドの一般投資家の人数が49人以下であるとき。


(1)適格機関投資家等特例業務届出手続き
手続き方法
様式20号に従い届出書面を作成し提出します。
但し、内閣総理大臣は届出に際し、届出者、取引相手、届出者からの業務受託者に対し業務状況確認のための資料の提出を求めることができるとされているため、事前に当該届出に関するスキームの概要や内部統制、業者の実体等を説明する書面を用意しておく必要があると思われます。
罰則
この届出を行なわなかったり、虚偽の届出を行った場合は1年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金ないしそれらが併科されます。
したがいまして、届出要件の複雑さゆえ上記罰則が課せられないよう、慎重な検討が必要と思われます。
(2)適格機関投資家等特例業務届出後の留意点(罰則との関係)
業務実体確認のための立ち入り検査等も規定されているので十分な準備が必要と思われます。
届出事項に変更が合った場合は遅滞なく再度の届出を行なわなければならず、これを怠ると30万円以下の罰金に処されます。
要件に該当しなくなった業者は遅滞なく届け出る必要があり、これを怠ると1年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金ないしそれらが併科されます。
従いまして、届出後も組織体制の維持に関し定期的な審査・管理が必要となります。
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